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「中国人」被爆者の碑を議論 中区で50人 建立へ「史実学習を」

 広島で被爆した中国大陸と台湾の出身者の実態を伝える碑の建立を目指す市民団体「『中国人』被爆者の碑を考える会」は1日、広島市中区の原爆資料館で設立2周年のシンポジウムを開いた。登壇者3人が建立の実現に向けた課題を話し合い、約50人が参加した。

 広島大大学院の中村平教授(文化人類学)は中国大陸と台湾の歴史認識の違いなどに触れ、碑の建立の難しさを説明。「集会を重ね、史実を学習することが重要だ」と語った。

 続いて、韓国の原爆被害者を救援する市民の会世話人の豊永恵三郎さん(88)は平和記念公園(中区)の韓国人原爆犠牲者慰霊碑の設置を巡る経緯を紹介し「園内に置くのは簡単じゃなかった」と振り返った。

 県原水禁代表委員の金子哲夫さん(76)も登壇し、関係団体などの協力や理解の必要性を指摘した。考える会は2022年12月に平和記念公園のボランティアガイドを中心に結成。今後は平和記念公園や平和大通りでの碑などの設置の実現に向けて具体的な検討を進める。(野平慧一)

(2025年2月4日朝刊掲載)

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