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出撃地首長の式典出席調整 原爆投下の米軍機エノラ・ゲイ 8・6で広島県議会

 広島県議会が被爆80年の節目に合わせ、8月6日に広島市中区である平和記念式典へ、広島に原爆を投下した米軍機エノラ・ゲイの出撃地の首長に初めて出席してもらう調整を始めた。

 中本隆志議長や特別委員会委員の県議計10人が1月、4日間の日程でエノラ・ゲイに原爆を積み込んだ米自治領のテニアン島など太平洋北マリアナ諸島を訪問。マリアナ政府知事やサイパン市長、テニアン市長に面会し、式典に出席したいとの意向を確認した。県議会は式典を主催する広島市とも調整している。

 県議会は4、5月には米国である核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会にも訪問団を派遣する。中本議長は「被爆80年の節目に核廃絶と世界恒久平和の実現を世界に訴えたい」としている。

 一方、県議会は昨年12月、核兵器禁止条約へのオブザーバー参加を日本政府に求める意見書を最大会派自民議連の反対で却下した。長崎県議会や広島県内16市町議会は同様の意見書を可決しており、対応が分かれた。

 自民議連所属の中本議長は意見書可決には全会一致のルールがあるとし「核抑止が必要と考える県議もいる。理想と現実の中でわれわれは核兵器の悲惨さを訴えたい」と述べた。(河野揚)

(2025年2月6日朝刊掲載)

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