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原爆ドーム「特別史跡に」 広島市 文化庁に意見具申へ

 広島市は6日、世界遺産で国史跡の原爆ドーム(中区)を特別史跡に格上げするよう、文化庁へ近く意見具申する考えを明らかにした。昨年、初めてドローンで実施した健全度調査の結果も公表し、大きな劣化は確認されなかったとした。

 市役所北庁舎であった保存技術指導委員会で、柳沢健輔・文化財担当課長が、委員の意見や助言を踏まえ、意見具申のための報告書をほぼまとめたと説明。「文化庁に提出し、特別史跡の指定に向けて取り組む」と述べた。当初は2023年度の申請を予定していたが、資料作りに時間がかかり、ずれ込んだ。

 おおむね3年に1度実施している健全度調査では、20年の前回と比べて外観や鋼材などに特筆すべき劣化はみられなかったと報告。初めてドローンを活用した調査について、委員長の三浦正幸・広島大名誉教授(建築史)は会合後、「足場を組む期間を減らせ、これまで通りほぼ正確に調査できることも分かった」と評価した。(野平慧一)

(2025年2月7日朝刊掲載)

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