木造復元案 具体化へ 広島城天守 市有識者会議で確認
25年2月7日
広島市は6日、老朽化した広島城天守(中区)の整備の方向性を話し合う有識者の検討会議を市役所で開いた。検討会議は木造復元と耐震改修、解体の3案を比較した結果、天守群を幕末から明治初期にかけての姿に復元する方向で具体的な検討を進めることを確認した。
座長の三浦正幸・広島大名誉教授(建築史)たち建築や歴史などの専門家7人の委員が出席。市の担当者が3案の比較結果を示した。市の試算によると、木造復元の整備費は約131億円、整備期間は14年程度。維持には一定周期での修理も必要とした。
一方、耐震改修の場合は約8億5千万円、5年程度で完成し、耐用年数は30年程度とした。解体した場合の費用は算出中とし、事業期間は3年程度と見込む。
市の担当者は木造復元した場合「観光客の大幅な増加が見込まれる」と説明。委員からは「被爆前と後で分断された広島の歴史をつなぐ新たなシンボルとすべきだ」などと、復元を支持する声が多数を占めた。
三浦座長は終了後「木造復元に絞って具体的な議論を進める」と述べた。検討会議は2025年度末まで、復元する場合の技術的な課題を議論する。(野平慧一)
(2025年2月7日朝刊掲載)
座長の三浦正幸・広島大名誉教授(建築史)たち建築や歴史などの専門家7人の委員が出席。市の担当者が3案の比較結果を示した。市の試算によると、木造復元の整備費は約131億円、整備期間は14年程度。維持には一定周期での修理も必要とした。
一方、耐震改修の場合は約8億5千万円、5年程度で完成し、耐用年数は30年程度とした。解体した場合の費用は算出中とし、事業期間は3年程度と見込む。
市の担当者は木造復元した場合「観光客の大幅な増加が見込まれる」と説明。委員からは「被爆前と後で分断された広島の歴史をつなぐ新たなシンボルとすべきだ」などと、復元を支持する声が多数を占めた。
三浦座長は終了後「木造復元に絞って具体的な議論を進める」と述べた。検討会議は2025年度末まで、復元する場合の技術的な課題を議論する。(野平慧一)
(2025年2月7日朝刊掲載)