日米、日本の防衛強化 首脳会談 核含む米軍事力で 日鉄の買収「投資で合意」
25年2月9日
石破茂首相は7日(日本時間8日)、トランプ米大統領と米ワシントンのホワイトハウスで初会談した。「日米関係の新たな黄金時代を追求する」とした共同声明を発表。核戦力を含む米国の軍事力で日本の防衛強化を図ることで一致した。トランプ氏は共同記者会見で、日本製鉄の米鉄鋼大手USスチール買収計画を巡り「買収ではなく多額の投資で合意した」と述べ、首相も同調した。(ワシントン発 堀晋也)
共同声明は、米国が「核を含むあらゆる能力」を用いて日本の防衛に関与すると強調。中国の軍事増強などを念頭に、日米同盟に基づく防衛協力を推進すると明記した。日本側の防衛予算の増加にも言及。米国はこれを歓迎し、2027年度までに日本防衛の「主たる責任を確固たるものとする能力」を築くとした。
会談で両首脳は、中国による東シナ海での海洋行動に関し「強い反対の意」を共有。核・ミサイル開発を進める北朝鮮の非核化を図る考えで一致した。北朝鮮による拉致問題については、即時解決を実現するとした首相の決意をトランプ氏が支持した。
経済分野では、首相がいすゞ自動車の新工場建設やトヨタ自動車の工場拡張、新設計画を明らかにした。液化天然ガス(LNG)の輸入も増やすと表明。対米投資を1兆ドル規模に引き上げる方針も示した。USスチールに関しては、首相は共同会見で「日本の技術を加えて良い製品をつくり出す。トランプ氏と強く認識を共有した」と話した。トランプ氏は日鉄首脳と面会する意向も示した。
トランプ氏は会談で、対日貿易赤字が膨らんでいる点に触れ「均衡に戻す必要がある」と発言。関税を課す可能性も示唆した。
両首脳は互いに安倍晋三元首相の名を出しながら友好ムードを演出した。首相は共同会見で「胸襟を開き、率直に意見交換ができて非常に有意義だった」と振り返った。トランプ氏に近い将来の日本訪問を打診。トランプ氏は受け入れた。
首相は7日午後、ワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地を政府専用機で出発、帰国した。
(2025年2月9日朝刊掲載)
共同声明は、米国が「核を含むあらゆる能力」を用いて日本の防衛に関与すると強調。中国の軍事増強などを念頭に、日米同盟に基づく防衛協力を推進すると明記した。日本側の防衛予算の増加にも言及。米国はこれを歓迎し、2027年度までに日本防衛の「主たる責任を確固たるものとする能力」を築くとした。
会談で両首脳は、中国による東シナ海での海洋行動に関し「強い反対の意」を共有。核・ミサイル開発を進める北朝鮮の非核化を図る考えで一致した。北朝鮮による拉致問題については、即時解決を実現するとした首相の決意をトランプ氏が支持した。
経済分野では、首相がいすゞ自動車の新工場建設やトヨタ自動車の工場拡張、新設計画を明らかにした。液化天然ガス(LNG)の輸入も増やすと表明。対米投資を1兆ドル規模に引き上げる方針も示した。USスチールに関しては、首相は共同会見で「日本の技術を加えて良い製品をつくり出す。トランプ氏と強く認識を共有した」と話した。トランプ氏は日鉄首脳と面会する意向も示した。
トランプ氏は会談で、対日貿易赤字が膨らんでいる点に触れ「均衡に戻す必要がある」と発言。関税を課す可能性も示唆した。
両首脳は互いに安倍晋三元首相の名を出しながら友好ムードを演出した。首相は共同会見で「胸襟を開き、率直に意見交換ができて非常に有意義だった」と振り返った。トランプ氏に近い将来の日本訪問を打診。トランプ氏は受け入れた。
首相は7日午後、ワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地を政府専用機で出発、帰国した。
(2025年2月9日朝刊掲載)