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広島市7228億円 5.6%増 被爆80年 継承に力 25年度予算案

 広島市は7日、2025年度当初予算案を発表した。一般会計は7228億5100万円で前年度当初に比べ5・6%増え、過去最大の予算規模となった。社会保障費や公債費などが増加し、初の7千億円台に膨らんだ。被爆80年の節目に合わせ、被爆体験の継承事業に力を入れる。

 被爆80年関連は80事業に計9億7900万円を計上した。若者への平和教育の推進や民間主体のイベント開催を支援する。原爆資料館(中区)の東館地下1階に新設する子ども向けの展示や学習スペースの設計費3100万円を盛り込んだ。

 まちづくり関連では、JR広島駅の南口広場の再整備に42億300万円を計上。路面電車「駅前大橋線」やペデストリアンデッキ(歩行者専用橋)の整備を進める。

 松井一実市長は記者会見で「世界に誇れるまちの実現に向け、重点的かつ最大限に予算配分した。80年事業は平和文化を振興していく上で効果があると思うものは続けたい」と述べた。

 社会保障費のうち児童手当は国の制度拡充に伴い31・1%増の271億7900万円。公債費は元金の一括償還が重なるなどし13・9%増の363億6700万円。人件費は1・5%増の1530億7800万円。

 歳出の内訳は最多の民生費が6・2%増の2628億100万円。教育費は3・3%増の1021億3300万円、土木費は2・5%増の1006億5500万円だった。

 歳入は市税が個人市民税の増収などで7・2%増え、2627億7300万円。貯金に当たる財政調整基金は29億円を取り崩し、25年度末の残高は95億7200万円の見通し。借金である市債の残高は1兆2647億7100万円で過去最高を更新する見込みだ。

 一般、特別、企業の全24会計の合計は2・8%増の1兆2770億1900万円。14日開会予定の市議会定例会に提案する。(野平慧一)

(2025年2月8日朝刊掲載)

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