核禁会議 話題なく 日米首脳会談 反発懸念か
25年2月11日
8日の日米首脳会談で3月に米国である核兵器禁止条約第3回締約国会議への日本のオブザーバー参加が話題にならなかったことが10日、複数の政府関係者への取材で分かった。日本側が、条約と距離を置くトランプ大統領の反発を懸念した可能性がある。
石破茂首相とトランプ氏の初めての会談は約1時間50分に及び、安全保障政策や経済連携が主な議題になった。会談では、核戦力を含む米国の軍事力で日本の防衛強化を図ると一致した。一方で、複数の政府関係者によると、禁止条約のオブザーバー参加に関する話題について、両首脳の言及はなかったという。
首相は昨秋の自民党総裁選以来、禁止条約へのオブザーバー参加を「選択肢の一つ」としてきたが、最近は不参加の方向で調整を進めてきた。今回の首脳会談は日本に「核の傘」を提供する米国トップの意向を確認する機会だったが、話題にならなかった。
禁止条約は2021年1月に発効。これまでに94カ国・地域が署名、73カ国・地域が批准した。日本は発効以来、核保有国が加わっていないことを理由に条約参加への消極姿勢を貫いている。
条約を支持する日本被団協のノーベル平和賞受賞を受け、オブザーバー参加を求める声は強まっている。被団協や広島、長崎の両市長、両知事たちは1月、相次いで政府に参加を要請した。(堀晋也、宮野史康)
(2025年2月11日朝刊掲載)
石破茂首相とトランプ氏の初めての会談は約1時間50分に及び、安全保障政策や経済連携が主な議題になった。会談では、核戦力を含む米国の軍事力で日本の防衛強化を図ると一致した。一方で、複数の政府関係者によると、禁止条約のオブザーバー参加に関する話題について、両首脳の言及はなかったという。
首相は昨秋の自民党総裁選以来、禁止条約へのオブザーバー参加を「選択肢の一つ」としてきたが、最近は不参加の方向で調整を進めてきた。今回の首脳会談は日本に「核の傘」を提供する米国トップの意向を確認する機会だったが、話題にならなかった。
禁止条約は2021年1月に発効。これまでに94カ国・地域が署名、73カ国・地域が批准した。日本は発効以来、核保有国が加わっていないことを理由に条約参加への消極姿勢を貫いている。
条約を支持する日本被団協のノーベル平和賞受賞を受け、オブザーバー参加を求める声は強まっている。被団協や広島、長崎の両市長、両知事たちは1月、相次いで政府に参加を要請した。(堀晋也、宮野史康)
(2025年2月11日朝刊掲載)