×

ニュース

原爆資料館 入館者最多 2年連続 ノーベル平和賞追い風

 原爆資料館(広島市中区)は10日、2024年度の入館者数が9日までに198万3983人(速報値)となり、2年連続で過去最多を更新したと発表した。日本被団協のノーベル平和賞受賞などが追い風になったとみられる。

 9日閉館時の入館者数が、これまで最多だった23年度の198万1782人を2201人上回った。資料館啓発課によると、週内にも200万人を超える見込み。3月には、1955年の開館からの累計入館者数が8千万人に達するという。

 資料館は入館者の増加要因に、不安定な世界情勢への危機感の高まりや、市で23年5月にあった先進7カ国首脳会議(G7サミット)、円安を列挙。また、被団協の平和賞受賞が発表された24年10月は27万1923人が訪れ、月別最多を塗り替えたという。混雑対策では、24年3月入館分からチケットのオンライン販売を始め、スムーズな入館につなげた。

 市は25年度、核兵器廃絶を求める国際的な動向を強く発信する展示を新設。子どもに分かりやすい展示や学習スペースの設置に着手する。混雑対策も引き続き進める。

 資料館の石田芳文館長は「被団協の平和賞受賞などで核兵器廃絶への機運が高まりつつある。展示を通じて被爆の実態に触れ、核兵器が再び使用されたらどのような悲惨な結末になるのか知ってもらいたい」と意気込む。(渡辺裕明)

(2025年2月11日朝刊掲載)

年別アーカイブ