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呉の大和ミュージアム改修 きょうから休館 最終日 館内にぎわう 実物資料充実「再開楽しみ」

 呉市宝町の大和ミュージアムはリニューアル工事のため17日から約1年間、休館する。休館前の最終開館日となった16日は多くの観光客たちでにぎわった。改修では旧広海軍工廠(こうしょう)の航空機製造技術などの資料を充実させる。実物資料の展示は全館で約300点増え、約2100点となる。(栾暁雨)

 同館は2005年4月にオープン。かつて東洋一の軍港といわれた呉の歴史や造船技術を紹介。人間魚雷「回天」や零式艦上戦闘機などの実物も展示する。約20年間で計約1700万人が来館し、市の観光集客をけん引してきた。

 戸高一成館長は「多くの方に温かい支援を頂いた。これまでの蓄積を生かし、資料を充実させ、新たな学びや気付きを得られる場所を目指す」と感謝を述べた。

 戦艦大和の10分の1模型を撮影していた広島市の会社員泉喜遥さん(53)は「大迫力。息子の名前が『やまと』なので最終日に見られてよかった」。3度目の来館という大阪市の上坂由紀さん(29)は「戦争と科学の発展に光を当てながら平和も発信する施設。世界が不安定な今だからこそ学びは多い。再オープンが楽しみ」と期待した。

 リニューアルでは、造船技術を紹介している3階展示室を、海軍工廠をイメージした内装に一新。航空機のエンジンやプロペラなど実物資料を充実させる他、大和の乗組員たちの手記や手紙をデジタル化し、公開点数を増やす。26年4月の再オープンを見込む。

 呉市は休館対策として、零式観測機の実物大レプリカなどを置いた仮展示室「大和ミュージアムサテライト」をビュー・ポートくれ(中通)に設け、28日にオープンさせる。澎湃(ほうはい)館(昭和町)にも17日から展示品の一部を置く。

(2025年2月17日朝刊掲載)

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