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在外被爆者を 8・6式典招待 10年ぶり 被爆80年事業 広島市、遺族含め12人

 広島市は2025年度の被爆80年事業として、8月6日に平和記念公園(中区)で営む平和記念式典に米国、ブラジル、韓国に住む被爆者と遺族計12人を招く。在外被爆者の招待は15年以来、10年ぶりとなる。

 計画では3カ国の被爆者と遺族の各2人が8月3~7日の日程で広島に滞在する。健康相談や東区の保養施設「神田山荘」での国内の被爆者との交流も予定している。市は渡航費や滞在費を含む関連事業費1300万円を25年度一般会計当初予算案に計上している。

 市は被爆40年の1985年から10年ごとに在外被爆者の代表を招いてきた。2015年は昨年8月に100歳で亡くなった在ブラジル被爆者の森田隆さんたち10人が来日し、式典に参列した。

 厚生労働省によると、24年3月末時点で被爆者健康手帳を持つ在外被爆者は2388人。市原爆被害対策部は「在外被爆者の招待は今回が最後になるかもしれない。犠牲者の慰霊と世界恒久平和を願う機会としたい」としている。(野平慧一)

(2025年2月15日朝刊掲載)

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