核禁会議参加「後押し必要」 市民団体 広島の衆院議員との面会報告
25年2月20日
米ニューヨークで3月にある核兵器禁止条約の第3回締約国会議を前に、市民団体「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)は、広島県内を地盤とする与野党の衆院議員6人に直接尋ねた条約への考えをまとめた。5人が、日本政府がオブザーバー参加すべきだと答えた。
1月中旬から2月中旬にかけ、自民党の寺田稔氏▽立憲民主党の佐藤公治氏、東克哉氏▽日本維新の会の空本誠喜氏▽国民民主党の福田玄氏▽公明党の斉藤鉄夫氏―の5党計6人と面会。ほかに自民党の岸田文雄氏に要請し、断られたという。
オブザーバー参加について、5人が「参加すべきだ」と回答。寺田氏は唯一「検証中」としつつ、禁止条約で「核被害者の援助と環境の修復」を定める6、7条の議論推進には賛成した。
政府は18日にオブザーバー参加しないことを正式に表明した。同日夜に広島市役所で記者会見したカクワカ広島の田中美穂共同代表(30)は「全体的に参加は難しいというトーンを議員から感じた。私たちがもっと後押しし、一緒にやっていくのが課題」と話した。
締約国会議には、カクワカ広島から田中共同代表と瀬戸麻由さん(33)が参加する。現地で核被害を伝えるアート展示の共催などを予定している。(渡辺裕明)
「米に過大な気遣い」
日本政府が核兵器禁止条約の第3回締約国会議へのオブザーバー参加見送りを決めたのに対し、広島の被爆者7団体は19日、抗議声明を発表した。
日本と同じ米国の「核の傘」の下にあるドイツは、核抑止政策を取りながらもオブザーバー参加していると指摘。「トランプ米大統領への過大な気遣い、平和外交力の弱さが垣間見えるのは情けない限り」と日本政府を批判している。核兵器廃絶を訴えてきた日本被団協へのノーベル平和賞授与や、国際社会の期待を被爆国として受け止める必要性も訴えている。
広島県原水協も同日、石破茂首相と岩屋毅外相宛ての抗議文を送った。(渡辺裕明)
(2025年2月20日朝刊掲載)
1月中旬から2月中旬にかけ、自民党の寺田稔氏▽立憲民主党の佐藤公治氏、東克哉氏▽日本維新の会の空本誠喜氏▽国民民主党の福田玄氏▽公明党の斉藤鉄夫氏―の5党計6人と面会。ほかに自民党の岸田文雄氏に要請し、断られたという。
オブザーバー参加について、5人が「参加すべきだ」と回答。寺田氏は唯一「検証中」としつつ、禁止条約で「核被害者の援助と環境の修復」を定める6、7条の議論推進には賛成した。
政府は18日にオブザーバー参加しないことを正式に表明した。同日夜に広島市役所で記者会見したカクワカ広島の田中美穂共同代表(30)は「全体的に参加は難しいというトーンを議員から感じた。私たちがもっと後押しし、一緒にやっていくのが課題」と話した。
締約国会議には、カクワカ広島から田中共同代表と瀬戸麻由さん(33)が参加する。現地で核被害を伝えるアート展示の共催などを予定している。(渡辺裕明)
政府の参加見送り 抗議 被爆者7団体
「米に過大な気遣い」
日本政府が核兵器禁止条約の第3回締約国会議へのオブザーバー参加見送りを決めたのに対し、広島の被爆者7団体は19日、抗議声明を発表した。
日本と同じ米国の「核の傘」の下にあるドイツは、核抑止政策を取りながらもオブザーバー参加していると指摘。「トランプ米大統領への過大な気遣い、平和外交力の弱さが垣間見えるのは情けない限り」と日本政府を批判している。核兵器廃絶を訴えてきた日本被団協へのノーベル平和賞授与や、国際社会の期待を被爆国として受け止める必要性も訴えている。
広島県原水協も同日、石破茂首相と岩屋毅外相宛ての抗議文を送った。(渡辺裕明)
(2025年2月20日朝刊掲載)