ウクライナ 露の侵攻3年 関心こそが最大の支援 現地国営通信社勤務の平野さん 再侵略防ぐ停戦望む
25年2月21日
ウクライナにロシアが侵攻して24日で丸3年になる。ウクライナで暮らす人たちは何を思っているのか。現地の国営通信社に勤め、「キーウで見たロシア・ウクライナ戦争」(星海社)を出版した米子市出身の平野高志さん(43)が東京都内で取材に応じ、日本人に向けて「関心を持ち続けることが最大の支援」と訴えた。(堀晋也)
―侵攻から3年をどう受け止めますか。
現地では3年と捉えていない。2014年にロシアがウクライナ南部のクリミア半島に軍事介入し、占領した。その侵略が22年に全面化したというのが現地の認識だ。
多くの人は疲弊している。徴兵で身近な人が次々いなくなることに痛みを感じている。知り合いが戦地に赴く中、いずれ自分の番と思いながら暮らすことに悩んでいる。
―戦時下の暮らしを聞かせてください。
首都キーウ(キエフ)は近隣にロシア軍がいなくなって以降、日用品に困る状況はない。ただ、今も侵略されている感覚は消えない。空襲警報は毎日のように鳴り、無人機やミサイルを迎撃する音も頻繁に聞こえてくる。撃墜した破片で死傷者が出ることさえある。
―ロシアは、核の脅しを繰り返しています。
国連安全保障理事会の常任理事国の一つ。最大限の非難が必要だ。核保有国の侵略を誰も止められないなら、核兵器廃絶と全く逆のところに世界は向かう。戦争を正しく終わらせなくてはならない。
―どのような終結を望みますか。
本来は領土を全て取り返し、戦争犯罪者に責任を取らせるなど最大限の公正を目指すべきだ。ただ、実際には難しい。一番重要なのは、再侵略を防ぐ形での停戦だろう。
―日本ができる支援は何でしょう。
世界各国の支援で戦況は当初の想定より有利に進んだ。市民レベルでは関心を持ち続けること。ウクライナの人たちの声を知ろうとしてほしい。正しい理解が政府のウクライナ支援を後押しする。関心こそ最大の支援だ。
ひらの・たかし
1981年米子市生まれ。米子東高、東京外国語大を卒業後、フリーカメラマン。2008年からウクライナ在住。14年、在ウクライナ日本大使館で専門調査員。18年から国営通信社ウクルインフォルムで記事の日本語編集に携わっている。
(2025年2月21日朝刊掲載)
―侵攻から3年をどう受け止めますか。
現地では3年と捉えていない。2014年にロシアがウクライナ南部のクリミア半島に軍事介入し、占領した。その侵略が22年に全面化したというのが現地の認識だ。
多くの人は疲弊している。徴兵で身近な人が次々いなくなることに痛みを感じている。知り合いが戦地に赴く中、いずれ自分の番と思いながら暮らすことに悩んでいる。
―戦時下の暮らしを聞かせてください。
首都キーウ(キエフ)は近隣にロシア軍がいなくなって以降、日用品に困る状況はない。ただ、今も侵略されている感覚は消えない。空襲警報は毎日のように鳴り、無人機やミサイルを迎撃する音も頻繁に聞こえてくる。撃墜した破片で死傷者が出ることさえある。
―ロシアは、核の脅しを繰り返しています。
国連安全保障理事会の常任理事国の一つ。最大限の非難が必要だ。核保有国の侵略を誰も止められないなら、核兵器廃絶と全く逆のところに世界は向かう。戦争を正しく終わらせなくてはならない。
―どのような終結を望みますか。
本来は領土を全て取り返し、戦争犯罪者に責任を取らせるなど最大限の公正を目指すべきだ。ただ、実際には難しい。一番重要なのは、再侵略を防ぐ形での停戦だろう。
―日本ができる支援は何でしょう。
世界各国の支援で戦況は当初の想定より有利に進んだ。市民レベルでは関心を持ち続けること。ウクライナの人たちの声を知ろうとしてほしい。正しい理解が政府のウクライナ支援を後押しする。関心こそ最大の支援だ。
ひらの・たかし
1981年米子市生まれ。米子東高、東京外国語大を卒業後、フリーカメラマン。2008年からウクライナ在住。14年、在ウクライナ日本大使館で専門調査員。18年から国営通信社ウクルインフォルムで記事の日本語編集に携わっている。
(2025年2月21日朝刊掲載)