核被害「矮小化」を指摘 第五福竜丸展示館学芸員 中区で講演 来月被曝71年
25年2月23日
米国による中部太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁での核実験で、静岡県のマグロ漁船第五福竜丸などが被曝(ひばく)して来月で71年となるのを前に、県原水協は22日、広島市中区で集会を開いた。第五福竜丸展示館(東京)学芸員の市田真理さんが講演し、「核被害を人類という大きな視点で見ないといけない」と訴えた。
市田さんは第五福竜丸の乗組員の証言などを紹介。日米両政府による政治決着で、周辺海域で操業していた他の約千隻の漁船の被害は詳細な調査や補償がされなかったため、福竜丸の乗組員が「誹謗(ひぼう)、嫉妬にさらされた」と説明。1957年の原爆医療法やその後の関連法が核実験の被害者を対象外としている問題にも言及した。
さらに「第五福竜丸事件」とも呼ばれてきた点を「矮小(わいしょう)化の意図を感じる」と指摘。マーシャル諸島の被曝者や福竜丸以外の漁船の存在を改めて認識するよう呼びかけた。
集会には約90人が参加した。「広島高校生平和ゼミナール」の高校生による発表などもあった。(下高充生)
(2025年2月23日朝刊掲載)
市田さんは第五福竜丸の乗組員の証言などを紹介。日米両政府による政治決着で、周辺海域で操業していた他の約千隻の漁船の被害は詳細な調査や補償がされなかったため、福竜丸の乗組員が「誹謗(ひぼう)、嫉妬にさらされた」と説明。1957年の原爆医療法やその後の関連法が核実験の被害者を対象外としている問題にも言及した。
さらに「第五福竜丸事件」とも呼ばれてきた点を「矮小(わいしょう)化の意図を感じる」と指摘。マーシャル諸島の被曝者や福竜丸以外の漁船の存在を改めて認識するよう呼びかけた。
集会には約90人が参加した。「広島高校生平和ゼミナール」の高校生による発表などもあった。(下高充生)
(2025年2月23日朝刊掲載)