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核禁条約意見書 見通せず 広島県議会4会派が提案 政府オブザーバー参加 自民議連は求めず

 広島県議会(定数64、欠員1)の9会派のうち4会派が、核兵器禁止条約を巡る意見書案を開会中の定例会に提出した。3会派は日本政府に締約国会議へのオブザーバー参加を求めているが、最大会派の自民議連(34人)は参加を求めず議論を促す内容。各会派の思惑が異なり、議決の見通しは立っていない。(河野揚)

 県議会は21日、議会運営委員会を開き、主要3会派が意見書案の内容を説明した。議運委に入っていない共産党議員団(2人)は20日、議運委員長に提出した。

 自民議連の意見書案は政府に対し、核廃絶に向けたリーダーシップの発揮を要望する一方、オブザーバー参加を直接は求めず、議論を深めるよう呼びかけている。

 第2会派の民主県政会(14人)は「オブザーバー参加を求める」とし、第3会派の公明党議員団(6人)はオブザーバー参加と署名・批准を訴える。共産党議員団は署名・批准を前提とし、それまでの間はオブザーバー参加を求めている。

 公明党議員団は2023年9月と24年12月、オブザーバー参加を求める意見書案を提出したが、自民議連の反対で却下されていた。今回は民主県政会と共産党議員団が意見書案提出を決めたのを受け、自民議連と公明党議員団も準備を進めた。

 政府は3月にある第3回締約国会議のオブザーバー参加見送りを表明した。自民議連内にはオブザーバー参加を政府に求めることへの慎重論が根強い一方、「再び反対すれば県民の批判を招く」との意見もある。議運委は今月28日の理事会で四つの意見書案を協議し、主要3会派で一致した案を3月17日の本会議で議決する。

(2025年2月22日朝刊掲載)

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