[核兵器禁止条約 第3回締約国会議] 政府不参加「情けなく残念」 衆院予算委中央公聴会 田中熙さん 被団協役員で初出席
25年2月26日
核廃絶「一番強く主張できる」
日本被団協代表委員の田中熙巳(てるみ)さん(92)=埼玉県新座市=が25日、衆院予算委員会の中央公聴会で意見を述べた。「地球上から核兵器をなくすと一番強く主張できるのが日本政府だ」と指摘。3月3日に米国で始まる核兵器禁止条約第3回締約国会議にオブザーバー参加しない政府を「本当に情けなく残念だ」と断じた。
被団協役員の衆院予算委中央公聴会への出席は初めて。れいわ新選組が推薦した。田中さんは、すぐに条約を批准できないならオブザーバーとして発言すべきだと訴え、ウラン採掘や核実験による被害者支援に日本の被爆者援護の蓄積が生かせると主張した。
昨年のノーベル平和賞授賞式で原爆被害への国家補償を拒む政府を批判した点にも言及。戦争犠牲者への償いは国の責任とし「戦争は市民の被害が一番大きく、それを我慢させたままの国防は制度上も誤っている」と強調した。
核兵器が使われた場合には「何十万人の死傷者を出す」と説明。「そういう被害に国が財政的に責任を持てるのか」と廃絶の必要性を述べた。(宮野史康)
(2025年2月26日朝刊掲載)