[核兵器禁止条約 第3回締約国会議] 核廃絶の道 具体化探る NYで3日開幕
25年3月2日
核兵器禁止条約の第3回締約国会議が3日、米ニューヨークの国連本部で開幕する。7日まで5日間の日程で、加盟各国の政府や非政府組織(NGO)の代表たちが一堂に会する。「核兵器のない世界」へ、条文に基づく具体的な行動について議論を深める。(トロント発 金崎由美)
会議には、加盟に先立つ手続きとなる署名を済ませた国なども出席する。NGOでは条約制定に貢献し2017年のノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))が中心となる。
日本からは、24年の平和賞を受けた日本被団協の浜住治郎事務局次長が初日に演説。ほかに反核運動に携わる市民や、立憲民主、公明など各党の国会議員、研究者たちが会議での発言や関連行事への参加を予定する。
会議は23年11~12月以来の開催。世界で核軍拡と相互不信が強まり、米国とロシアの核軍縮交渉も先が見えない中、核兵器廃絶を求める国際社会の意思を発信する機会となる。一方で、核抑止依存を堅持する日本政府は今回もオブザーバー参加しない。被爆国の後ろ向きな姿勢は被爆80年の節目に一層際立っている。
会期中は、条約参加国を増やす「普遍化」や核被害者の公正な援助の課題を検討する。禁止条約の特徴である、核実験場は先住民の居住地や旧植民地▽核問題を巡る国際交渉の当事者が男性ばかりで女性の声が反映されない―など核兵器維持は植民地主義や「ジェンダー」の問題と地続きとの認識が議論の土台となる。廃絶を阻む構造的問題の可視化も重視する。
禁止条約は17年に国連で122カ国・地域の賛成で採択され、21年1月に発効した。現在の締約国・地域は73、署名国を含めると94で国連加盟国の約半数となっている。
(2025年3月2日朝刊掲載)
会議には、加盟に先立つ手続きとなる署名を済ませた国なども出席する。NGOでは条約制定に貢献し2017年のノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))が中心となる。
日本からは、24年の平和賞を受けた日本被団協の浜住治郎事務局次長が初日に演説。ほかに反核運動に携わる市民や、立憲民主、公明など各党の国会議員、研究者たちが会議での発言や関連行事への参加を予定する。
会議は23年11~12月以来の開催。世界で核軍拡と相互不信が強まり、米国とロシアの核軍縮交渉も先が見えない中、核兵器廃絶を求める国際社会の意思を発信する機会となる。一方で、核抑止依存を堅持する日本政府は今回もオブザーバー参加しない。被爆国の後ろ向きな姿勢は被爆80年の節目に一層際立っている。
会期中は、条約参加国を増やす「普遍化」や核被害者の公正な援助の課題を検討する。禁止条約の特徴である、核実験場は先住民の居住地や旧植民地▽核問題を巡る国際交渉の当事者が男性ばかりで女性の声が反映されない―など核兵器維持は植民地主義や「ジェンダー」の問題と地続きとの認識が議論の土台となる。廃絶を阻む構造的問題の可視化も重視する。
禁止条約は17年に国連で122カ国・地域の賛成で採択され、21年1月に発効した。現在の締約国・地域は73、署名国を含めると94で国連加盟国の約半数となっている。
(2025年3月2日朝刊掲載)