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渡米控えた高校生 被爆者の証言聞く NPT準備委派遣で研修

 4月28日~5月9日に米ニューヨークである核拡散防止条約(NPT)再検討会議第3回準備委員会に向け、平和首長会議(会長・松井一実広島市長)は1日、派遣する県内の高校生8人の事前研修会を広島市中区で開いた。原爆資料館を見学し、被爆者から証言を聞いた。

 8歳の時に爆心地から2・5キロの己斐町(現西区)の自宅で被爆した八幡照子さん(87)=府中町=が体験を証言。被爆時に家族8人暮らしで「母が『みんなで死のう』と叫んでいたのが忘れられない」と振り返った。昨夏、市の派遣事業で米ハワイ州を訪れた際の広島と現地の若者の交流に触れ「皆さんは希望の光。若者のリーダーとして対話を通じて戦争を解決していって」と期待した。

 被爆3世の広島なぎさ高1年河村波音さん(15)は「相手の立場に立って考えることの大切さを感じた。米国の人が核兵器をどう捉え、未来に向けて私たちに何ができるか考えたい」と話した。

 高校生8人は現地で準備委の傍聴や首長会議が主催するユースフォーラムへの参加を予定する。(野平慧一)

(2025年3月2日朝刊掲載)

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