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被爆者「対話」装置 広島市25年度試行 AI活用 小学校などで

 広島市は2025年度、人工知能(AI)を活用して画面上の被爆者と疑似対話できる装置を市内の小学校などで試行する。26年度の本格導入を目指して開発を進めており、効果的な運用につなげる。

 市平和推進課によると、装置に使う被爆者5人の証言映像の撮影を1月に終えた。完成予定のことし8月以降、小学校などを数校選んで貸し出す。使った児童や教員にアンケートをし、結果を踏まえて改善点を探る。

 装置は、被爆前後の状況や当時の思いを対話形式で学べる。原爆資料館(中区)などを訪れる修学旅行生たちの利用を想定している。映像撮影に協力した被爆者の体験を受け継ぐ伝承者たちが案内役となり、証言ビデオの視聴と合わせて装置を体験してもらう流れを検討している。

 同課は「被爆者の証言や平和への思いを記録し、確実に次世代に引き継ぐ必要がある。平和学習のきっかけづくりにしたい」としている。(野平慧一)

(2025年3月1日朝刊掲載)

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