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広島平和公園周辺の高潮対策 慰霊碑や雁木を確認 国交省検討委員が現地視察

 平和記念公園(広島市中区)周辺の高潮対策工事を巡り、国土交通省の検討委員会の委員が現地を視察した。堤防や川岸に点在する原爆犠牲者の慰霊碑や雁木(がんぎ)の状況を把握し、工事で配慮する点を確認した。

 検討委は河川工学や景観、文化財などの専門家8人で構成。うち7人が2月下旬、元安川や本川沿いを歩き、碑の位置や雁木の形状、土地の高さを確認した。視察後に中区で会合を開き、公園敷地のかさ上げなど複数の改修案を検討した。委員からは碑前である慰霊式を考慮した工事の必要性を指摘する意見もあった。

 国によると、公園周辺の25カ所に慰霊碑がある。検討委は会合を秋までに4回程度開き、景観や文化財に配慮した高潮対策を国に提言する。委員長の中村良夫・東京科学大名誉教授(景観工学)は「視察のおかげで十分に意見を出せた。良い前進が見られると思う」と話した。(伊藤友一)

(2025年3月4日朝刊掲載)

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