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ゲノム解析 開始へ評価 放影研諮問委「準備できている」

 放射線影響研究所(放影研、広島市南区)の研究内容を審議する科学諮問委員会は5日、3日間の審議を終え、所内で記者会見を開いた。放影研が準備を進めている被爆2世のゲノム(全遺伝情報)解析に対し「開始する準備ができている」と評価した。

 記者会見で共同座長の島田義也・環境科学技術研究所理事長は、2世のゲノム解析について被爆者たちへの説明や国内外の研究機関との協力体制を踏まえ「研究をするに当たって、まだ待つ要素はない」と強調した。

 これに対し、神谷研二理事長は、具体的な開始時期はまだ公表できないとしつつ「大変勇気づけられる」と反応。倫理、法、社会的課題に対応するため日米の専門家でつくる内部委員会を今月内に設置し、遺伝カウンセリングなど調査対象者への相談体制も整えると説明した。

 放影研の計画では、広島、長崎の被爆者と2世の約500家族約1500人を対象に血液中のゲノムを解読する。親の受けた放射線量の多い集団と少ない集団で、遺伝子変異の状態などを比べる。(山下美波)

(2025年3月6日朝刊掲載)

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