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[核兵器禁止条約 第3回締約国会議] 討論 危機感前面に 2日目 森本氏「核と人類 共存できぬ」

 米ニューヨークの国連本部で開かれている核兵器禁止条約の第3回締約国会議は2日目の4日、一般討論に入った。締約国はそろって、国際的な緊張により核兵器使用に至る可能性が高まっている現状への危機感を前面に出し、核抑止が解決策にはならないとの認識を示した。(ニューヨーク発 金崎由美)

 オーストリアは2017年に国連で禁止条約の採択を主導。「核問題が不穏な状況にある中、条約は希望の光。大量破壊の脅威によらない安全保障へと導く唯一の国際的な枠組みだ」と説いた。

 英米が核実験をした南太平洋の島国キリバスは被害国の立場から発言。カザフスタンとともに被害者支援と環境修復に用いる「国際信託基金」の検討作業を進める担当国で、基金設立を「優先課題」とし「緊急の行動」を求めた。

 この日は一般討論に先立ち、「核戦争の真の代償」を考えるパネル討論もあった。

 締約国会議では日本の国会議員として初めて、立憲民主党の森本真治氏(参院広島)が約6分間発言。核兵器が小型でも限定使用できることはあり得ず、必ず壊滅的な被害をもたらすとし「核兵器と人類は共存できない」と強調した。他の議員や市民と連携し、日本政府に次回以降のオブザーバー参加を迫ることも誓った。

 森本氏の問いかけには、第1回会議での合意に基づき設置された「科学諮問グループ」の共同議長で物理学者のジア・ミアン氏が呼応。「核兵器は今後必ず使われる。それだけでなく、威嚇に用いられ常に道徳、政治、経済など全ての側面で損害を与えてきた」とアピールした。会議は最終日の7日に向けて議論を続ける。

(2025年3月6日朝刊掲載)

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