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被爆前後の広島 VRで 平和首長会議 ゴーグル貸し出し 疑似体験 訪問のきっかけに

 核兵器禁止条約の第3回締約国会議が開かれている米ニューヨークの国連本部で、平和首長会議(会長・松井一実広島市長)が3~6日、広島の被爆前の街並みと被爆直後の惨状を仮想現実(VR)で疑似体験できるゴーグルを貸し出した。原爆被害への関心を高め、広島訪問のきっかけにしてもらう狙い。連日80人超が利用した。(ニューヨーク発 金崎由美)

 VR映像は約5分間で、被爆前に広島市の今の平和記念公園(中区)にあった旧中島地区や、被爆後の相生橋付近などを再現。着けると、その場に立っている感覚になる。解説音声も流れる。

 首長会議は貸し出しコーナーに英語5台、スペイン語1台を用意。主に昼休憩中に国連職員や外交官が足を止め、体験していた。ケニア出身で国連人道問題調整事務所(OCHA)職員のマーティン・ムワニキさん(53)は紛争国に赴いた経験から「その土地の惨状と一人一人の苦しみはどれも違う。広島で起こった事を想像する機会を得た」と話した。

 ゴーグルはフジタ(東京)が開発。旅行会社たびまちゲート広島(中区)が観光客に貸し出し、市も各地で開く原爆展で活用している。

(2025年3月8日朝刊掲載)

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