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[被爆80年 県北] 被爆ピアノ修復 矢川さんモデル 平和の願い 音色と映画で 甲奴で22日 監督らトーク 演奏も

 三次市甲奴町のジミー・カーターシビックセンターで22日、被爆ピアノを修復して全国にその音色と平和への願いを届けている調律師矢川光則さん(72)=広島市安佐南区=をモデルにした映画の上映会と、映画に登場する被爆ピアノのコンサートが開かれる。(向井千夏)

 終戦と被爆80年に合わせて、地域住民でつくる実行委員会が企画した。五藤利弘監督(56)の映画「おかあさんの被爆ピアノ」(2020年公開)は、東京に暮らす被爆3世の大学生が調律師と交流し、広島で被爆したピアノを寄贈した母と祖母の人生や思いをたどる物語。上映後、五藤監督と矢川さんが対談する。

 コンサートには町内外の未就学児から70代までの20組計約30人が参加し、スクリーンに登場した被爆ピアノを順番に奏でる。矢川さんによると、ピアノは爆心地から約1・5キロ離れた現在の広島市中区の民家で被爆。持ち主の男性から14年に寄贈を受けた。

 男性は19年12月29日に他界。旧甲奴町時代から交流を30年余り育み、昨年暮れに死去したジミー・カーター元米大統と亡くなった日が同じで、矢川さんは「不思議な縁を感じる」と話す。沖田芳之実行委員長は(70)は「カーターさんにも音色を届けたい。多くの人に訪れてもらい、平和の尊さを考えるきっかけにしたい」と呼びかける。

 午後1時~4時半。入場無料。整理券が必要で同センターか、町内のコミュニティセンター、市甲奴支所で受け取れる。当日も整理券を配る。実行委事務局☎0847(67)3535。

(2025年3月11日朝刊掲載)

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