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[ヒロシマドキュメント 被爆80年] 1955年8月6日 平和公園に人波

 被爆10年の1955年8月6日、広島市の平和記念公園(現中区)で平和記念式典が開かれた。5月に就任した渡辺忠雄市長が平和宣言。原爆被害者の生活苦や健康不安に触れ、「原爆の放射能には人類の健全な社会を崩壊に導く危険性が存在している」と訴えた。

 公園の北側には、46年に建てられた旧供養塔に代わり、市が中心となって建立した「原爆供養塔」が前日に完成。円形に土が盛られ、内部の納骨堂には引き取り手のない多くの遺骨が納められた。6日には供養塔前で広島戦災供養会が慰霊祭を営んだ。市公会堂での原水爆禁止世界大会の開幕日でもあり、全国から多くの人たちが被爆で壊滅した街の跡に造られた公園を訪れた。(編集委員・水川恭輔)

(2025年3月17日朝刊掲載)

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