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「平和巡礼」パネルで回顧 広島で展示 オッペンハイマー氏資料も

 被爆者たちが1964年に各国を巡って原爆の悲惨さを伝えた「広島・長崎世界平和巡礼」を振り返るパネル展が18日、広島市中区のNHK広島放送局2階ギャラリーで始まった。米国の原爆開発を率いたオッペンハイマー氏に参加者が面会する際の資料などを展示し、当時の状況を紹介した。NPO法人ワールド・フレンドシップ・センター(WFC、中区)の主催。23日まで。無料。

 広島と長崎の被爆者25人を含む約40人が64年4~7月に、核兵器保有国の米国や旧ソ連など8カ国150都市を訪れた様子をパネル63点で解説する。当時の資料や新聞記事、米国で配ったパンフレットなどを並べた。被爆地の関係者が一行の送り出しに尽力し、参加者が現地で熱心に活動した様子がにじむ。

 オッペンハイマー氏との面会に関する資料は2点。巡礼団に加わった物理学者の故庄野直美氏が面会を強く望んでいると米国側の協力者から本人へ送った書簡、両氏の面会を組み込んだ予定表の写真を公開した。通訳者として立ち会った女性の証言映像も用意した。

 パネル展は巡礼から60年の昨年に続いて企画した。WFCの立花志瑞雄(しずお)理事長(69)は「当時の被爆者たちが伝えた様子から、若い世代がどう伝えるかを考える材料にしてほしい」と呼びかける。平和巡礼の歩みとこれからを考えるトークイベントが20日午後2時、中区のエソール広島である。定員約50人、無料。WFC☎082(503)3191。(山本祐司)

(2025年3月19日朝刊掲載)

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