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-平和への思い新た- 10月世界被害者フォーラム 「核否定しない限り核で人類は滅びる」

HANWAの森滝さん 講演で警鐘

 市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)」共同代表の森滝春子さん(86)が20日、広島市中区の原爆資料館で講演し、10月に中区で開く世界核被害者フォーラムへ意気込みを語った。「私たちが核を否定しない限り核によって人類は滅びる」と警鐘を鳴らし、被害の全体像を明るみに出し、救済へつなげる決意を訴えた。

 森滝さんは過去に訪れた各国の写真とともに被害の実態を解説した。インドのウラン鉱山では製錬所の廃液が先住民の田畑へ流れ込み、子どもたちに障害がもたらされたと説明。コンゴ(旧ザイール)の鉱山で採掘されたウランが広島原爆に使われたことにも触れ、「ウラン鉱山は核問題の入り口」と指摘した。

 2003年に始まったイラク戦争の現地調査で、劣化ウラン弾の影響により、がんにあえぐ子どもたちに会った時は「胸が詰まりカメラを向けるのをためらった」と振り返った。「被害者の多くは女性や子ども、先住民、労働者…。被曝(ひばく)しない権利、生きる権利を求めないといけない」と強調。10月のフォーラムでは海外から12人を招き、実態を伝えるとした。

 講演は市民団体「第九条の会ヒロシマ」結成33周年の記念集会であった。(山本祐司)

(2025年3月21日朝刊掲載)

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