故河本一郎さん 語り継ぐ 原爆の子の像の建立や「ドーム」保存に尽力 制作委が夏に朗読劇 平和希求 足跡に光
25年3月28日
被爆80年の今夏、広島市の平和記念公園(中区)にある原爆の子の像の建立や原爆ドームの保存活動に尽力した河本一郎さん(2001年に72歳で死去)の人生を描いた創作朗読劇が、初めて上演される。原爆劇で知られる舟入高演劇部の元部員や市原爆被害者の会の会員を中心とする制作委員会が企画。核兵器のない平和な世界の実現を訴える。(渡辺裕明)
河本さんは16歳で入市被爆。被爆10年後に白血病のため12歳で亡くなった佐々木禎子さんを悼み、幟町小の級友たちと原爆の子の像の建立を呼びかけた。「広島折鶴の会」(1958年発足)の世話人を務め折り鶴を著名人たちに届けたり、ドームの保存を訴えたり。広島女学院中高(中区)の用務員として働く傍ら、晩年まで子どもたちと平和活動を続けた。
劇は河本さんの人生を振り返りつつ、今を生きる世代に戦争を起こさないために何ができるかを問いかける。被爆者の切明千枝子さん(95)=安佐南区=が詠んだ短歌も挿入する。
脚本・演出は舟入高演劇部の元部員で被爆2世の久保田修司さん(67)=廿日市市=が担う。23年8月、広島YMCA名誉理事長の黒瀬真一郎さん(今年1月に83歳で死去)から親交の深かった河本さんの活動を聞き「芝居にしたいと思った」という。
久保田さんたちはその3カ月前の5月、広島市であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせて被爆者の女性をモデルにした創作朗読劇を上演。厳しさを増す国際情勢に、続編の必要性を感じていた。
今月6日、広島市役所で記者会見した久保田さんは河本さんの存在を語り継ぐ使命感を強調。「河本さんは平和の大巨人だった。市民の皆さんが劇を見た後に『私にも何かできる』と感じて会場を後にしていただければありがたい」と意気込んだ。
公演はコジマホールディングス西区民文化センターで7月31日午後6時、8月1日午後2時と6時の3回。前売り券2千円(高校生以下800円)、当日券2500円(同千円)。
(2025年3月28日朝刊掲載)
河本さんは16歳で入市被爆。被爆10年後に白血病のため12歳で亡くなった佐々木禎子さんを悼み、幟町小の級友たちと原爆の子の像の建立を呼びかけた。「広島折鶴の会」(1958年発足)の世話人を務め折り鶴を著名人たちに届けたり、ドームの保存を訴えたり。広島女学院中高(中区)の用務員として働く傍ら、晩年まで子どもたちと平和活動を続けた。
劇は河本さんの人生を振り返りつつ、今を生きる世代に戦争を起こさないために何ができるかを問いかける。被爆者の切明千枝子さん(95)=安佐南区=が詠んだ短歌も挿入する。
脚本・演出は舟入高演劇部の元部員で被爆2世の久保田修司さん(67)=廿日市市=が担う。23年8月、広島YMCA名誉理事長の黒瀬真一郎さん(今年1月に83歳で死去)から親交の深かった河本さんの活動を聞き「芝居にしたいと思った」という。
久保田さんたちはその3カ月前の5月、広島市であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせて被爆者の女性をモデルにした創作朗読劇を上演。厳しさを増す国際情勢に、続編の必要性を感じていた。
今月6日、広島市役所で記者会見した久保田さんは河本さんの存在を語り継ぐ使命感を強調。「河本さんは平和の大巨人だった。市民の皆さんが劇を見た後に『私にも何かできる』と感じて会場を後にしていただければありがたい」と意気込んだ。
公演はコジマホールディングス西区民文化センターで7月31日午後6時、8月1日午後2時と6時の3回。前売り券2千円(高校生以下800円)、当日券2500円(同千円)。
(2025年3月28日朝刊掲載)