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森田隆さん 広島でしのぶ会 在ブラジル 南米被爆者束ねる

 昨年8月に100歳で亡くなった在ブラジル被爆者森田隆さんをしのぶ会が広島市中区であった。「在ブラジル・在アメリカ被爆者を支援する会」世話人とゆかりの人たち20人が集い、南米被爆者を束ねて援護の道を切り開いた森田さんの在りし日を語り合った。

 旧日本軍の憲兵だった森田さんは爆心地から約1・3キロで被爆。1956年にブラジルへ移住し、84年に在ブラジル原爆被爆者協会(解散)を結成して会長に就いた。当時は海を渡ると打ち切られた被爆者援護法に基づく健康管理手当の支給を求めて国などを提訴。韓国や米国の被爆者とも連帯し、運動を率いた。

 会合では、裁判を支えた田村和之代表世話人や足立修一弁護士が森田さんの闘いを振り返った。南米被爆者を研究する東京外国語大大学院生の相原由奈さん(30)は90歳を過ぎても証言活動を続けた姿を思い返し「もっと生きて伝えてほしかった」と涙を拭った。(森田裕美)

(2025年3月31日朝刊掲載)

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