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岩屋外相、NPT重視を強調 国際賢人会議最終会合が開幕

 核兵器廃絶への道筋を国内外の有識者が話し合う国際賢人会議の最終会合が30日、東京都内で始まった。岩屋毅外相があいさつし、核拡散防止条約(NPT)に基づく核軍縮を重視する考えを強調した。会議は31日まで開かれ、2026年のNPT再検討会議に向けた提言の骨格を固める。

 岩屋氏は、NPTに基づく核軍縮が核廃絶に向けて「現実的かつ効果的だと確信している」と強調した。今月上旬の核兵器禁止条約第3回締約国会議へのオブザーバー参加は見送ったとし、「国の独立と平和を守り抜く責任を考え抜いた」と述べた。ノーベル平和賞を受賞した日本被団協にも触れ、被爆者の証言が核廃絶に向けた「確固たる礎となった」と感謝した。

 国連大学であった最終会合には、米中ロ英仏の核保有五大国と非保有国の委員計14人がオンラインを含めて参加。モハメド・元ケニア外相は動画メッセージを寄せ「核兵器の存在自体が世界の平和と安全を損なっている」と語った。

 賢人会議は岸田文雄前首相が2022年に創設し、広島や長崎でも会合を重ねてきた。人工知能(AI)が核軍縮に及ぼす影響、NPT体制の強化、核兵器不使用の規範が論点となっている。(宮野史康)

(2025年3月31日朝刊掲載)

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