核廃絶「持続的対話を」 国際賢人会議 委員がシンポ
25年4月2日
核兵器廃絶への道筋を議論した国際賢人会議の委員が1日、東京都内で外務省主催のシンポジウムに登壇した。2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた提言について、座長の白石隆熊本県立大特別栄誉教授は、核兵器を巡る厳しい国際情勢を踏まえ「一番重要なのは持続的な対話だ」と述べた。
国連大学であった会合に委員9人らが参加した。白石氏は「核軍拡競争が拡大し、偶然の事故や衝突が起きる可能性が高まっている」と懸念し、核戦争を防ぐ緊急行動の必要性を訴えた。
提言は核兵器保有国に持続的な対話を促す重要性を指摘。米カーネギー国際平和財団のジョージ・パーコビッチ上級研究員は「核兵器を持たないが、影響力のある日本は対話を働きかける役割がある」と語った。
委員と討論した一般社団法人「核兵器をなくす日本キャンペーン」(東京)の浅野英男さんは、米国の「核の傘」にいる国に対し、核兵器禁止条約締約国会議の場でも対話に加わるよう求めた。長崎で被爆した日赤長崎原爆病院の朝長万左男名誉院長は「次世代が核問題への理解を深めないと廃絶は不可能」とした。
会議を創設した岸田文雄前首相は冒頭「実践的な取り組みを議論してもらった」と提言を評価。「子孫たちが核兵器のない世界に暮らすという理想に向けきょうから一歩一歩現実的な歩みを進めたい」と述べた。(宮野史康、山崎亮)
(2025年4月2日朝刊掲載)
国連大学であった会合に委員9人らが参加した。白石氏は「核軍拡競争が拡大し、偶然の事故や衝突が起きる可能性が高まっている」と懸念し、核戦争を防ぐ緊急行動の必要性を訴えた。
提言は核兵器保有国に持続的な対話を促す重要性を指摘。米カーネギー国際平和財団のジョージ・パーコビッチ上級研究員は「核兵器を持たないが、影響力のある日本は対話を働きかける役割がある」と語った。
委員と討論した一般社団法人「核兵器をなくす日本キャンペーン」(東京)の浅野英男さんは、米国の「核の傘」にいる国に対し、核兵器禁止条約締約国会議の場でも対話に加わるよう求めた。長崎で被爆した日赤長崎原爆病院の朝長万左男名誉院長は「次世代が核問題への理解を深めないと廃絶は不可能」とした。
会議を創設した岸田文雄前首相は冒頭「実践的な取り組みを議論してもらった」と提言を評価。「子孫たちが核兵器のない世界に暮らすという理想に向けきょうから一歩一歩現実的な歩みを進めたい」と述べた。(宮野史康、山崎亮)
(2025年4月2日朝刊掲載)