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児童と地域 結んだ千羽鶴 深川小を今春卒業の3人 高陽公民館で取り組み 2ヵ月で完成 平和公園へ

 広島市安佐北区の深川小を卒業した3人が、被爆80年に合わせて学校のそばの高陽公民館で「千羽鶴プロジェクト」に取り組んだ。学校帰りのバス待ちの時間などに折り鶴を作り、館内に回収箱を置いて協力を呼びかけ。平和を願う輪が一気に広がり、2カ月足らずで千羽を超えた。3人は4日、平和記念公園(中区)の原爆の子の像にささげる。(金刺大五)

 3月29日、同館に田川詢那(じゅな)さん(12)、青山夏歩さん(12)、上阪みやのさん(12)が集まった。回収箱から鶴を取り出して色ごとに分けて数えると、1229羽あった。うれしそうに糸で鶴をつなげる作業に取りかかった。

 3人は勉強や遊びの場として同館を頻繁に利用。田川さんが「平和のために私たちでできることを」と切り出し、2月2日にプロジェクトを始動。高尾暢子館長と相談して1階ロビーに回収箱と折り紙を設けて「8月6日に平和記念公園に飾る鶴を折ってください」と呼びかけ文を添えた。

 深川女性会の前会長で被爆2世の中川英子さん(74)は賛同した一人。地元の各種団体が出入りするまちづくり協議会の事務所にも回収箱を置くよう橋渡しした。「節目の年に平和への思いを形にしようとする若い世代の行動がうれしかった」と目を細める。

 今春から別々の中学校に進む3人。上阪さんは「小学校生活の最後に絆を強められた」。青山さんは「進学前に達成できると思わなかった。地域の皆さんに感謝したい」と笑顔をみせた。

(2025年4月2日朝刊掲載)

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