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原爆資料館入館226万4543人 24年度 28万人余り更新 平和意識の高まり要因

 原爆資料館(広島市中区)は4日、2024年度の入館者が226万4543人(速報値)になったと発表した。過去最多だった前年度を2月に上回り、最終的に28万人余り更新した。25年度は、被爆80年に合わせて修学旅行の誘致や核使用の惨禍の発信に一層力を入れる。(樋口浩二)

 資料館を運営する広島平和文化センターによると、24年度の入館者数は23年度の198万1782人から28万2761人(14・3%)増えた。年200万人を超えたのは1955年度の開館以来初めてで、増加は4年連続。外国人も過去最多の72万8385人で全体の約3分の1を占めた。

 不安定な世界情勢や日本被団協のノーベル平和賞受賞による平和意識の高まり、外国人旅行客の増加が主な要因という。23年の先進7カ国首脳会議(G7サミット)効果も続いている。

 一方、例年最も混み合うお盆に、入館まで30分超の行列ができた日は23年度の9日から24年度は2日に減った。チケットのオンライン販売による効果が一定に出た。利用者は全体の4割強で周知を図る。また館内は混雑が常態化しており、引き続き対策を検討する。

 センターは修学旅行生を増やそうと人口の多い関東圏への働きかけを強めている。市役所で記者会見した谷史郎副理事長は「広島で命や平和について学ぶ意義を訴える」と強調。市は25年度内に東館1階の展示を更新し、核使用は許されないという「核のタブー」などについて発信する。

(2025年4月5日朝刊掲載)

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