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反戦と鎮魂 「巨匠」のピアノ アレクセイ・リュビモフ 広島で11日公演

 「反骨の巨匠」と称されるロシア出身の世界的ピアニスト、アレクセイ・リュビモフ(80)が11日、広島市中区の広島流川教会でリサイタルを開く。戦後80年の節目に被爆地でウクライナやロシアの現代曲を奏で、反戦と鎮魂の祈りを込める。

 4度目となる今回の広島公演では、ウクライナ出身のシルベストロフ作曲「キッチュ・ムジーク」のほか、エストニア人ペルトによる「トッカータ」、スイス生まれのロシア人ボルコンスキーの「厳格な音楽」などを演奏する。

 ウクライナ戦争が続く現状を憂い、両国ゆかりの曲を選んだ。「戦争の記憶を刻む象徴的なヒロシマで、人々が友情を大切にし、争いのない世界を願いたい」と力を込める。公演終盤では、モーツァルトとドビュッシーの名曲も奏でる。

 ロシアがウクライナに侵攻して間もない2022年春、モスクワで反戦コンサートを開き、警察に妨害されながら演奏を続けたことでも知られる。当時を振り返り「恐怖は感じなかった。音楽は平和のメッセージを伝えることができる」と言い切る。

 午後7時開演。一般6500円(前売り6千円)、学生と23歳以下は3600円、会員2525円。MCSヤング・アーティスツ☎03(3473)2880。(桑島美帆)

(2025年4月5日朝刊掲載)

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