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外相 NPT準備委へ 28日開幕 演説で核軍縮訴え

 2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向け米ニューヨークの国連本部で28日に始まる第3回準備委員会に、岩屋毅外相が出席し、演説する方向で調整していることが10日、分かった。重視する核兵器保有国と非保有国の双方が加わる協議の場で、核軍縮の取り組みを訴える構え。

 複数の政府関係者が明らかにした。岸田文雄前首相が設けた国際賢人会議が、爆発を伴う核実験の停止や核保有国の対話を求める提言を先月にまとめており、岩屋氏はこれを基に演説するとみられる。

 核軍縮交渉を巡り、日本政府は「核抑止と相いれない」などとして核兵器禁止条約に後ろ向きで、先月の第3回締約国会議にもオブザーバー参加しなかった。代わりにNPTに基づく核軍縮が「現実的かつ効果的」と説明しており、準備委を通じて核兵器廃絶への姿勢を示す狙いがある。日本の外相が出席すれば、18年以来3度目となる。

 再検討会議は15、22年と2回続けて決裂した。合意を生み出せない状況をどう打開するかが準備委の焦点となる。米国の第2次トランプ政権にとっては、初の多国間核軍縮協議の場になる。一方、非保有国の一部は核軍縮の進展がない現状への不満が強く、禁止条約の第3回会議では核廃絶への「揺るぎない決意」を込めた政治宣言を採択した。(宮野史康)

(2025年4月11日朝刊掲載)

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