平和式典 「通知」に変更 広島市「各国招待」取りやめ 出席 自発的意志で
25年4月12日
広島市が被爆80年の今年8月6日に営む平和記念式典で、松井一実市長は11日、各国の政府代表を「招待」する従来の形式から、開催を案内する「通知」に変更すると明らかにした。日本と外交ルートがある195カ国・地域が対象。3年続けて招待を見送ったロシアや、日本が国家承認していないパレスチナ自治政府を含む。出席を各国・地域の自発的な意志に委ねる。(樋口浩二)
松井市長は記者会見で、式典は憎しみを乗り越え、人類の共存と繁栄への願いを発信する場だと強調。「ヒロシマの心を理解し、主体的に参加を考えてもらう。案内はするが、判断は各国・地域にお任せしたい」と述べた。5月下旬に案内文を送る。正式な外交関係がない台湾は対象外。
市はインドとパキスタンが核実験をした1998年に核兵器保有国の首脳へ招待状を送り始め、2006年には日本に大使館のある全ての国の駐日大使も加えた。24年は166カ国に送り、109カ国と欧州連合(EU)の代表が出席した。
ただ、ウクライナ侵攻を受け、ロシアとその同盟国のベラルーシは「式典の円滑な挙行に影響を及ぼす可能性」があるとして、22年から招待していない。また24年は、パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラエルを招いた一方、日本が国家承認していないのを理由にパレスチナ自治政府は招かず、被爆者や市民団体から「二重基準」などと批判を受けた。
松井市長は昨年7月、式典の招待基準を見直す方針を示し、外務省や同じ被爆地の長崎市と検討を進めていた。
広島市の平和記念式典
原爆死没者の慰霊と世界平和の実現を祈る目的で、市が毎年8月6日に中区の平和記念公園で開く。1947年8月6日に開かれた平和祭が原型。以来、朝鮮戦争のあおりで中止になった50年を除き、毎年続いている。
(2025年4月12日朝刊掲載)
松井市長は記者会見で、式典は憎しみを乗り越え、人類の共存と繁栄への願いを発信する場だと強調。「ヒロシマの心を理解し、主体的に参加を考えてもらう。案内はするが、判断は各国・地域にお任せしたい」と述べた。5月下旬に案内文を送る。正式な外交関係がない台湾は対象外。
市はインドとパキスタンが核実験をした1998年に核兵器保有国の首脳へ招待状を送り始め、2006年には日本に大使館のある全ての国の駐日大使も加えた。24年は166カ国に送り、109カ国と欧州連合(EU)の代表が出席した。
ただ、ウクライナ侵攻を受け、ロシアとその同盟国のベラルーシは「式典の円滑な挙行に影響を及ぼす可能性」があるとして、22年から招待していない。また24年は、パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラエルを招いた一方、日本が国家承認していないのを理由にパレスチナ自治政府は招かず、被爆者や市民団体から「二重基準」などと批判を受けた。
松井市長は昨年7月、式典の招待基準を見直す方針を示し、外務省や同じ被爆地の長崎市と検討を進めていた。
広島市の平和記念式典
原爆死没者の慰霊と世界平和の実現を祈る目的で、市が毎年8月6日に中区の平和記念公園で開く。1947年8月6日に開かれた平和祭が原型。以来、朝鮮戦争のあおりで中止になった50年を除き、毎年続いている。
(2025年4月12日朝刊掲載)