平和アート 国境超えコラボ 廿日市の書道家小川さん×NZの画家ホワイトさん 2人展が開幕 きょうあすトーク
25年4月12日
廿日市市の書道家小川妙子さん(74)と、姉妹都市のニュージーランド・マスタートン市の画家ロビン・ホワイトさん(78)の2人展「ふたつの世界」が11日、廿日市市のはつかいち美術ギャラリーで始まった。市の戦後80年非核平和事業の一環で、国境を超えた芸術のコラボで戦争の愚かさや平和の大切さを訴える。5月6日まで。入場無料。(八百村耕平)
会場には16点を展示。共作の「ふたつの世界」は、小川さんが被爆者から聞いた「水水水をください」などの言葉に、ホワイトさんが鉄条網の絵を巡らせた。戦争がもたらす不自由さや分断された世界を表したという。
ホワイトさんの「Summer Grass(夏草)」で描いたのは、庭園となっている日本人捕虜収容所跡地。戦のむなしさを思わせる松尾芭蕉の句にちなんだ題を添えた。小川さんは死体で赤く染まる川に被爆者の叫びを落とし込んだ書で戦争の悲惨さを伝える。
ともに平和をテーマに創作を続け、両市の交流事業を機に2019年には原爆を題材に共同制作もした。小川さんは「異国の芸術家が一つの展示会を開けるのは奇跡のようなこと。心がつながれば平和が生まれると感じてほしい」と訴える。
幼い頃、原爆に関する映画を見て恐くて眠れなくなったというホワイトさんは「人類が絶滅しかねない暴力を受けた広島から平和を訴え、世界中の鉄条網がいつかなくなってほしい」と願った。
12、13日は午後1時から2人によるギャラリートークがある。ギャラリー☎0829(20)0222。
(2025年4月12日朝刊掲載)
会場には16点を展示。共作の「ふたつの世界」は、小川さんが被爆者から聞いた「水水水をください」などの言葉に、ホワイトさんが鉄条網の絵を巡らせた。戦争がもたらす不自由さや分断された世界を表したという。
ホワイトさんの「Summer Grass(夏草)」で描いたのは、庭園となっている日本人捕虜収容所跡地。戦のむなしさを思わせる松尾芭蕉の句にちなんだ題を添えた。小川さんは死体で赤く染まる川に被爆者の叫びを落とし込んだ書で戦争の悲惨さを伝える。
ともに平和をテーマに創作を続け、両市の交流事業を機に2019年には原爆を題材に共同制作もした。小川さんは「異国の芸術家が一つの展示会を開けるのは奇跡のようなこと。心がつながれば平和が生まれると感じてほしい」と訴える。
幼い頃、原爆に関する映画を見て恐くて眠れなくなったというホワイトさんは「人類が絶滅しかねない暴力を受けた広島から平和を訴え、世界中の鉄条網がいつかなくなってほしい」と願った。
12、13日は午後1時から2人によるギャラリートークがある。ギャラリー☎0829(20)0222。
(2025年4月12日朝刊掲載)