平和を紡ぐ 父の被爆体験 語り継ぐ 杉浦元アナ 安佐南区で講演
25年4月20日
平和や原爆をテーマにした催しが19日、広島市内の各地で開かれた。家族の被爆体験を伝える講演や、平和のメッセージを発信する集いなどがあり、世代を超えて思いを紡いだ。
安佐南区の佐東公民館では、元NHKアナウンサーで、市の家族伝承者として活動する地元の杉浦圭子さん(66)が父の被爆体験を語った。かけがえのない命を大切にしてほしいと呼びかけた。
「被爆体験を語り継ぐ」と題し、209人を前に講演。父の清水良治さん(92)は県立広島商業学校(現県立広島商業高)1年の時、爆心地から2キロの比治山近くに移った同校の校庭で被爆した。首や肩、腕にやけどを負い、現在の安佐南区八木の自宅まで13キロを2時間で戻った。
杉浦さんは絵や地図をスクリーンに映しながら父の体験を伝えた。2023年に自身も同じ道のりを歩いた際、4時間かかったエピソードを明かし「少年だった父の『自分は死ねない』という信念を感じた」と声を詰まらせた。「みんな、大切なひとり」という言葉を用い、核兵器も戦争もない世界の実現を促した。
講演は新日本婦人の会安佐南支部が杉浦さんに依頼した。祖母と訪れた梅林小4年梶本枝里さん(9)は「自分が生まれる前の広島で、たくさんの人が原爆で亡くなったと知り怖かった。人を殺してはいけない」と力を込めた。(山本祐司)
(2025年4月20日朝刊掲載)
「みんな、大切なひとり」
安佐南区の佐東公民館では、元NHKアナウンサーで、市の家族伝承者として活動する地元の杉浦圭子さん(66)が父の被爆体験を語った。かけがえのない命を大切にしてほしいと呼びかけた。
「被爆体験を語り継ぐ」と題し、209人を前に講演。父の清水良治さん(92)は県立広島商業学校(現県立広島商業高)1年の時、爆心地から2キロの比治山近くに移った同校の校庭で被爆した。首や肩、腕にやけどを負い、現在の安佐南区八木の自宅まで13キロを2時間で戻った。
杉浦さんは絵や地図をスクリーンに映しながら父の体験を伝えた。2023年に自身も同じ道のりを歩いた際、4時間かかったエピソードを明かし「少年だった父の『自分は死ねない』という信念を感じた」と声を詰まらせた。「みんな、大切なひとり」という言葉を用い、核兵器も戦争もない世界の実現を促した。
講演は新日本婦人の会安佐南支部が杉浦さんに依頼した。祖母と訪れた梅林小4年梶本枝里さん(9)は「自分が生まれる前の広島で、たくさんの人が原爆で亡くなったと知り怖かった。人を殺してはいけない」と力を込めた。(山本祐司)
(2025年4月20日朝刊掲載)