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平和を紡ぐ 相互理解で争いない未来 広島大付属中・高120周年 中区で記念フォーラム

 平和や原爆をテーマにした催しが19日、広島市内の各地で開かれた。家族の被爆体験を伝える講演や、平和のメッセージを発信する集いなどがあり、世代を超えて思いを紡いだ。

 ことし創立120周年を迎えた広島大付属中・高(南区)と同窓会「アカシア会」は、平和のメッセージ発信をテーマに掲げた記念フォーラムを中区の広島国際会議場で開いた。卒業生や在校生約1700人が出席した。

 父親の被爆体験を描いた映画「8時15分 ヒロシマ 父から娘へ」を製作した米国在住の美甘(みかも)章子さん(63)が基調講演した。臨床心理医でもある美甘さんは、父進示さん(2020年に94歳で死去)から聞いた「米国を恨んでいない」という言葉を紹介。「自分が正しくて相手が悪いと思うのではなく、相手の状況を理解しようとすることが重要。どうしたら憎しみの悪循環が断ち切れるのか考えて」と訴えた。

 美甘さんのほか、テレビ朝日アナウンサーの大下容子さん、湯崎英彦知事たち卒業生5人が登壇したパネルディスカッションや、被爆ピアノ「明子さんのピアノ」の演奏もあった。 (高橋寧々)

(2025年4月20日朝刊掲載)

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