2025ひろしまフラワーフェスティバル 咲かそうよ 平和の種から 花いっぱい
25年4月24日
いつもより楽しく いつまでも平和に
いつもより楽しく、いつまでも平和が続くよう願う祭典に。2025ひろしまフラワーフェスティバル(FF)は5月3~5日、広島市中区の平和大通り一帯などで開かれます。パレードやステージなど今回も多彩な催しで会場を、まちを盛り上げます。スペシャルゲストのシンガー・ソングライターTani Yuukiさんやフラワーアンバサダーの3人のFFに向けた思いやプログラムを紹介します。
スペシャルゲスト Tani Yuukiさん 3日午後3時半からライブ
「おかえり」 歌いたい
ずっとみんなが帰ってこられる場所であり続けられればいいな…
―FFでスペシャルゲストを務めます。
すごくうれしく思います。広島にはツアーでお邪魔させていただいたことがあります。バンドメンバーの地元の尾道市では楽曲「最後の魔法」のミュージックビデオを撮影しました。さらに仲が深まる感じがします。
―広島にどんなイメージを持っていますか。
撮影地を再び巡るためにプライベートで旅行した時、街の人たちが温かかったです。山や海の自然があるし、観光で盛り上がっている場所もありました。その中に何か人のつながりみたいなものが感じられて印象的でした。竹原市の大久野島では早起きしてウサギにご飯をあげ、ウサギのアイドルにもなりました。
―平和への思いを聞かせてください。
祖母は戦争を経験していて、その話を聞いてきました。広島市では原爆ドームや原爆資料館にも行きました。戦争は、二度と繰り返しちゃいけないと思います。きっと僕たちが経験を直接聞ける最後の世代なので、忘れないためにも、今度は自分の子どもたちに受け継いでいきたいです。
―どんなライブにしたいですか。
どの年齢層の方たちも楽しみやすい曲を中心にできたらいいなと。広島は、人のつながりを感じる場所だったので、会話もありつつ、みんなで楽しめるライブができたらいいですね。
僕は地元が神奈川県茅ケ崎市です。第2、第3のホームタウンをつくろうという思いで、ライブに行っています。「おかえり」という楽曲があります。ずっとみんなが帰ってこられる場所であり続けられればいいなという思いもあるので、この曲はやりたいです。許してもらえるなら、広島もホームタウンに加えさせていただきたいです。(聞き手は堀晋也)
たに・ゆうき
優しく繊細なウィスパーボイスで、等身大の恋愛観を歌い上げ、若い世代を中心に人気を集める。2020年、交流サイト(SNS)などで大きな話題を呼んだ「Myra」でデビュー。「W/X/Y」や「おかえり」などのヒット曲で知られる。神奈川県出身。26歳。
フラワーアンバサダーの3人
大段利々子さん(22)
被爆80年 思いを伝える
小学生の頃、落ち込んでいた私は母に連れられて、FFに行ったことがあります。会場は笑顔であふれていました。パレードやステージに元気をもらい、晴れやかな気持ちになったことを覚えています。
FFは平和の花の祭典です。私は広島大付属高2年の時、高校生外交官プログラムに参加しました。米国で現地の高校生と交流し、平和についてスピーチもしました。感じたのは平和への思いはどこでも一緒だということ。被爆80年にアンバサダーとなり、平和への思い、生まれ育った広島の魅力を発信するお手伝いができればと思います。
今回のテーマは「咲かそうよ 平和の種から 花いっぱい」。節目の年にぴったりです。種とは一人一人の行動や思い。人と話すのが好きなので、平和や広島について会場で多くの人と話をしたいです。FFがないと、広島のゴールデンウイークは物足りない!(聞き手は山崎雄一)
おおだん・りりこ
2002年生まれ。名前はユリの英訳「lily」が由来。好きな花もユリ。広島の良さを知ってもらうため、外国人の知人を宮島などに案内している。広島県内の大学に通う。広島市西区在住。
長田知紗さん(22)
憧れの存在 元気届ける
被爆80年という節目のアンバサダーに選ばれ、身が引き締まります。今年のテーマ「咲かそうよ 平和の種から 花いっぱい」は、たった16文字に、作者の橋本多美恵さんの平和を願う思いを強く感じ、心に響きました。にぎやかで花がたくさんのFFに来てもらい、今を生きる幸せを改めて実感してほしいです。
FFは幼い頃に家族と来ていました。巨大な花の塔、華やかなパレードなど、その規模の大きさにびっくり。擦れ違う人みんなが笑顔で楽しんでいる姿を見て、本当に活気あふれるお祭りだと思いました。一緒に写真を撮ってもらったフラワークイーンは憧れの存在でした。今回選ばれ、家族や親類、懐かしい同級生たちから励ましの言葉をもらい、責任の重さを感じています。
FFは会場に来るだけで元気をもらえます。私は人と話すことが好きなので気軽に声をかけてもらえたらうれしいです。(聞き手は久行大輝)
おさだ・ちさ
2003年生まれ。周南市出身。広島県内の大学に通う。好きな花はチューリップ。小中学生時代、陸上に取り組んだ経験を踏まえ、「ひろしまストリート陸上プラス」がイチ推し。広島市南区在住。
大上くるみさん(23)
伝統と進化 魅力を発信
広島市安佐南区が地元で、幼い頃から毎年のようにFFへ遊びに行っていました。友達とおそろいの服を着たり、屋台で箸巻きを買って食べたり。楽しい思い出がたくさんあります。
「いろんな地域から集まった人たちと一緒に学びたい」と東京の大学を選びました。昨年、地元に戻って社会人に。久しぶりに出かけたFFで帰ってきた実感が湧き、うれしくなりました。
就職を機に「地元に貢献したい」という気持ちが強くなり、アンバサダーに応募しました。新しくなったJR広島駅ビルのように、伝統を残しつつも進化を続けているのが広島の魅力。街中を流れる川の美しさは、Uターン後に再発見したお気に入りの景色です。
被爆から80年を経て、広島は国内外から大勢の人が訪れる街になりました。節目の年の「平和の祭典」が笑顔であふれるように、3人で力を合わせて盛り上げます。(聞き手は佐藤弘毅)
おおうえ・くるみ
2001年生まれ。舟入高から東京の大学へ進み、昨春にUターン就職。趣味はピラティスや旅行で「休日も動き回ってます」と笑う。好きな花はピオニー(シャクヤク)。広島市安佐南区在住。
主なプログラム
3日
◆花の総合パレード(午前11時、平和大通り)
◆スペシャルゲストTani Yuukiさんライブ(午後3時30分、カーネーションステージ)
4日
◆フラワー音楽祭ライブバトル決勝大会(午前11時、ハナミズキステージ)
◆神楽まつり(午後1時、4時、広島国際会議場)
◆ひろしまストリート陸上プラス(午後2時、平和大通り)
◆STU48ライブ(午後5時45分、カーネーションステージ)
5日
◆パフォーマンスパレード(午前11時、平和大通り)
◆きんさいYOSAKOIステージ(午前11時45分、カーネーションステージ)
◆HIPPYさんのインターハイ応援ライブ(午後5時20分、カーネーションステージ)
(2025年4月24日朝刊掲載)