放影研 27年1月移転へ 2世ゲノム解析 広島大と協定
25年4月25日
日米両政府が運営する放射線影響研究所(放影研)は24日、比治山公園(広島市南区)の現施設から広島大霞キャンパス(同)への移転時期を2027年1月下旬と発表した。この日、放影研が準備を進める被爆2世のゲノム(全遺伝情報)解析で広島大と協力する協定も結んだ。
新施設は鉄骨10階建て延べ約7700平方メートル。被爆者と2世のデータ解析や、血液などの生体試料の保存、健診などの各スペースを設ける。建設費は53億7500万円で、一部は1階に入居する広島大も負担する。先月17日に着工した。
ゲノム解析は1985年以降、放影研が収集してきた被爆2世580人の血液を対象に放射線の遺伝的影響をみる。遺伝子の変異などが分かれば、広島大での受診やカウンセリングを勧め、費用は放影研が出す。霞キャンパスで記者会見した越智光夫学長は「被爆者や家族の医療につながる効果が期待できる」と見通した。
放影研によるこれまでの研究では被爆による遺伝影響は明確に示されておらず、ゲノム解析の行方は注目される。解析データは個人情報に当たるため、放影研が責任を持って管理するという。神谷研二理事長は解析の開始時期について、会見後の取材で「移転までに」と説明した。移転後の新施設では他分野でも共同研究を進める。(樋口浩二)
(2025年4月25日朝刊掲載)
新施設は鉄骨10階建て延べ約7700平方メートル。被爆者と2世のデータ解析や、血液などの生体試料の保存、健診などの各スペースを設ける。建設費は53億7500万円で、一部は1階に入居する広島大も負担する。先月17日に着工した。
ゲノム解析は1985年以降、放影研が収集してきた被爆2世580人の血液を対象に放射線の遺伝的影響をみる。遺伝子の変異などが分かれば、広島大での受診やカウンセリングを勧め、費用は放影研が出す。霞キャンパスで記者会見した越智光夫学長は「被爆者や家族の医療につながる効果が期待できる」と見通した。
放影研によるこれまでの研究では被爆による遺伝影響は明確に示されておらず、ゲノム解析の行方は注目される。解析データは個人情報に当たるため、放影研が責任を持って管理するという。神谷研二理事長は解析の開始時期について、会見後の取材で「移転までに」と説明した。移転後の新施設では他分野でも共同研究を進める。(樋口浩二)
(2025年4月25日朝刊掲載)