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連載・特集

大和ミュージアムの20年を思う 館長・戸高一成 <4> 10分の1大和

新事実に合わせ修正へ

 大和ミュージアムの改修に合わせ、同館のシンボルとも言うべき戦艦大和の10分の1模型(26・3メートル)もリニューアル整備を行います。この模型は、開館当時の最新の研究結果を基に造りましたが、その後新しく判明した事実に合わせ、可能な限り修正することにしました。

 模型全体を巨大な足場で覆い、艦底から艦橋のトップまで細かな作業が行われます。最も目立つのは艦首の「菊の御紋章」です。これまで直径1・5メートルと信じられていましたが、潜水調査で撮影されたビデオの画像で直径1メートルと判明したのです。

 御紋章を変えるだけでは済まない大がかりな整備になります。係留のための鎖やロープを通すフェアリーダーも含めて周囲の構造物全体を作り直す必要があるからです。その一方で、数ミリ単位の細かい整備箇所もあります。

 こうした作業風景を、ガラス越しに見学できるよう、艦尾側に当たるミュージアムの南に専用通路を造りました。艦首の菊の御紋章の取り付け作業は見えませんが、10分の1模型の改修を見られるのは休館中の今だからこその貴重なチャンス。ぜひ一度は見ていただきたいです(今月28日は工事のため観覧できません)。

(2025年4月27日朝刊掲載)

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