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「原爆の絵」 込めた思い知って 基町高生、浜松の中学生と交流

 浜松市中央区の天竜中3年生約220人が、修学旅行で広島市中区の平和記念公園を訪れ、基町高創造表現コース3年生8人と交流した。8人は被爆者の証言を基に「原爆の絵」を描いている。中学生は、制作中やこれまでに完成した絵を基に被爆の悲惨さや作品に込める思いを聞いた。

 天竜中は、今回初めて修学旅行先に広島を選んだという。21日に基町高生に会った生徒たちは「絵を描いていて悲しくなるか」「世界で戦争状態が続く今をどう思うか」などと質問。高校生は「話を聞く時は悲しいが描く時は伝えようという使命感が強い」などと答えていた。

 広島への修学旅行が実現したきっかけは、天竜中の主任教諭だった。何度も8月6日に広島を訪れ、基町高生徒の原爆の絵の解説も聞いたことがあった。同世代の生徒が何を感じ、どう表現したのか教え子と意見交換できればと校長にかけ合ったという。

 基町高の中原雅さん(17)は「私は得意な絵で平和の大切さを伝えていく。皆さんも何か行動してほしい」と呼びかけた。天竜中の吉田有輔さん(14)は「最初は絵を見るのが怖かったけど、話を聞くうちに絵に込められた気持ちが伝わった」と話していた。(二井理江)

(2025年4月26日朝刊掲載)

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