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被爆80年 祈りの曲 広響「シン・ディスカバリー」

 広島交響楽団の演奏会「シン・ディスカバリー・シリーズ」が25日、広島市中区のJMSアステールプラザであった。被爆80年に合わせ「ヒロシマとモーツァルト」をテーマとする全4回シリーズの開幕。クリスティアン・アルミンク音楽監督が指揮と解説を務めた。

 幕開けは、被爆40年の1985年に広島市で初演された、被爆2世の作曲家糀場富美子さんの「広島レクイエム」。うねるような弦楽の調べが犠牲者の苦しみを奏で、コンサートマスターの北田千尋が清澄な独奏を響かせた。上演前に登壇した糀場さんは「死者に祈りをささげた曲。節目の年に広響に演奏してもらい、この上ない喜び」と力を込めた。

 続いて、人気ピアニスト小林愛実を迎え、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番を情感豊かに演奏。原爆開発にまつわる葛藤などを描いたジョン・アダムズ「ドクター・アトミック・シンフォニー」で終演し、800人を魅了した。中国新聞社などが主催。(桑島美帆)

(2025年4月26日朝刊掲載)

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