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広島でローマ教皇追悼 「核廃絶への思い受け継ぐ」

 21日に88歳で死去したローマ教皇フランシスコを追悼するミサが25日、広島市中区のカトリック幟町教会「世界平和記念聖堂」であった。広島司教区が主催し、県内外から信者たち約300人が参列した。

 白浜満司教(62)はあいさつで、教皇が2019年11月に訪日し、被爆地の広島、長崎で核兵器廃絶のメッセージを発したことに言及。「教皇の思いを受け継ぎ、世界平和や核廃絶のための活動を続けたい」と述べた。

 参列者全員で聖歌を歌い、祭壇に掲げられた遺影に焼香した。生後2カ月のとき現在の西区三滝町で被爆した、安佐南区の山本強さん(79)は「私たち被爆者と共に歩んでくれてありがたかった。庶民の目線に近い教皇だった」としのんだ。

 教皇はヨハネ・パウロ2世以来38年ぶりとなった訪日の際、広島で、核兵器の使用も保有も「倫理に反する」と強く訴えた。教皇の思いを受け、広島司教区は20年、平和団体などと「核なき世界基金」を設立した。

 同司教区は、27日まで幟町教会内の広島カトリック会館で追悼の記帳を受け付けている。(城戸良彰)

(2025年4月26日朝刊掲載)

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