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旧陸軍の缶詰工場 建物デザイン見学 現在の広島市郷土資料館

 被爆建物で広島市の重要有形文化財「旧宇品陸軍糧秣支廠(りょうまつししょう)」(南区)の見学会が29日、現地であった。参加した11人が旧陸軍の缶詰工場で現在は市郷土資料館として使われる建物の歴史やデザインを学んだ。

 市郷土資料館の前野やよい学芸員が、米軍による原爆投下で爆心地から3・2キロにあった糧秣支廠の建物は窓ガラスが割れ、鉄骨が曲がる被害があったと説明。「明治期に建てられた歴史や赤れんがの壁の美しさが保存するきっかけになった」と解説した。南区の上田進さん(76)は「被爆した建物が立派に残されていることに驚いた」と話していた。

 市郷土資料館が5月6日まで開催中の企画展「図面で見る宇品陸軍糧秣支廠」の関連イベントとして開いた。初公開の図面も展示しており、前野学芸員は「建物と図面を比べて見て歴史を感じてほしい」と話している。(岩井美都)

(2025年4月30日朝刊掲載)

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