[NPT準備委] 米、中国の核開発非難 代表演説 「平和と安定脅かす」
25年5月1日
2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けて米国連本部で開かれている第3回準備委員会で、米国の代表が29日、演説した。NPTへの挑戦として真っ先に中国の核開発を挙げ「世界の平和と安定を脅かしている」と断じた。「最大の競争相手」とする中国への厳しい姿勢を軍縮外交の場でも鮮明にした。(ニューヨーク発 宮野史康)
米国は、中国が30年までに千発を超える核弾頭を保有するとの見方を示した。NPTへの挑戦の例として、2番目にロシアの新型核兵器の開発や核の威嚇を非難。北朝鮮とイランも名指しした。
一方で、「トランプ大統領は核兵器を再び使う必要がないように取り組むと繰り返し表明している」と強調。核戦力の国別報告について双方向の議論の場を設ける提案に触れ「全ての核保有国が等しく取り組むなら支持する」と語った。
米国はまた、ロシアのウクライナ侵攻を「最も強い言葉」で非難する共同声明に加わらなかった。ドイツやフランス、カナダ、日本など48カ国が賛同し、ウクライナが代表して読み上げた。
ロシアは演説で、核共有は「核軍縮の大きな障害」と批判。英仏が欧州で他国に「核の傘」を差しかけるのを検討しており、けん制した形だ。
また、この日、広島県と官民組織「へいわ創造機構ひろしま(HOPe)」が国連本部で核兵器に頼らない安全保障を考える集会を開いた。湯崎英彦知事はあいさつで「核兵器保有国と非保有国の分断を改善するためには、核兵器の禁止がもたらす安全保障の懸念や挑戦に向き合う必要がある」と述べた。
(2025年5月1日朝刊掲載)
米国は、中国が30年までに千発を超える核弾頭を保有するとの見方を示した。NPTへの挑戦の例として、2番目にロシアの新型核兵器の開発や核の威嚇を非難。北朝鮮とイランも名指しした。
一方で、「トランプ大統領は核兵器を再び使う必要がないように取り組むと繰り返し表明している」と強調。核戦力の国別報告について双方向の議論の場を設ける提案に触れ「全ての核保有国が等しく取り組むなら支持する」と語った。
米国はまた、ロシアのウクライナ侵攻を「最も強い言葉」で非難する共同声明に加わらなかった。ドイツやフランス、カナダ、日本など48カ国が賛同し、ウクライナが代表して読み上げた。
ロシアは演説で、核共有は「核軍縮の大きな障害」と批判。英仏が欧州で他国に「核の傘」を差しかけるのを検討しており、けん制した形だ。
また、この日、広島県と官民組織「へいわ創造機構ひろしま(HOPe)」が国連本部で核兵器に頼らない安全保障を考える集会を開いた。湯崎英彦知事はあいさつで「核兵器保有国と非保有国の分断を改善するためには、核兵器の禁止がもたらす安全保障の懸念や挑戦に向き合う必要がある」と述べた。
(2025年5月1日朝刊掲載)