×

ニュース

[NPT準備委] 核禁条約は「NPTに基づく」 勧告に記述を検討

 NPT再検討会議の第3回準備委員会が採択を目指す勧告で、核兵器禁止条約に関し「NPTに基づく条約」と記述する案を加盟国が検討していることが30日、分かった。核軍縮について定めたNPTを補完するという禁止条約の意義を強調する狙いとみられる。(ニューヨーク発 宮野史康)

 関係者によると、勧告に書き込む要素の一つに禁止条約が挙がっている。2021年1月に発効した事実関係に触れ「NPTに基づく条約として核兵器のない世界に向けた貢献を確認する」との内容。25年3月の第3回締約国会議も「成功」とし、前向きな認識という。

 核兵器を持たず禁止条約を推進する各国の主張を反映しているとみられる。ただ、過去のNPT再検討会議や準備委では禁止条約の表現を巡り、否定的な核保有国側が反発して成案を得る段階で後退しており、今回も駆け引きが続きそうだ。

 勧告ではほかに、広島、長崎の被爆80年を核兵器のない世界に向けた世界の決意を新たにする厳粛な機会と示す案がある。包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効▽朝鮮半島の非核化▽核施設への攻撃の禁止―なども検討する。

 加盟国は会期末の5月9日まで勧告の内容を詰め、26年の再検討会議のたたき台にする。過去に採択した例はなく、代わりに議長総括としてまとめる可能性がある。

(2025年5月1日朝刊掲載)

年別アーカイブ