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[NPT準備委] 露・北朝鮮に批判相次ぐ 欧米、軍事分野の協力懸念

 2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けて米ニューヨークの国連本部で開かれている第3回準備委員会で5日、ロシアと、ウクライナ侵攻に加勢している北朝鮮への批判が相次いだ。両国の軍事分野での協力強化や核拡散を懸念する欧米に対し、ロシアは「NPTに関係ない」と反発した。(ニューヨーク発 宮野史康)

 核不拡散に関する5日の討議で、ウクライナは、ロシアに弾道ミサイルを提供し、派兵しているとして北朝鮮に言及。イランを交えた3カ国の軍事協力の強化は「ウクライナだけでなく、欧州、アジア、中東、そして世界の安全への脅威だ」と訴えた。フランスやイタリア、オーストリアも、ロシアと北朝鮮の協力を非難した。

 北朝鮮の核開発を巡っても、米国は「ロシアとの協力が北朝鮮の核開発の利益となる可能性があり、違法だ」と主張。韓国は2日の演説で「北朝鮮をつけあがらせている。ロシアが機微な技術を含む軍事的な支援に動く可能性も懸念される」と述べていた。

 こうした批判に対しロシアは5日、「NPTの議題ではない。そもそもNPTの履行を停滞させているのは米国や同盟国の政策だ」と反論した。

 日本はこの日の討議で北朝鮮の核開発を非難したが、ロシアとの協力には踏み込まなかった。北朝鮮は03年にNPTからの「脱退」を表明しており、準備委に参加していない。

(2025年5月7日朝刊掲載)

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