×

ニュース

[NPT準備委] 核廃絶へ 国際舞台で意欲 福山出身の高橋さん 会議傍聴 配信にも出演

 核兵器廃絶に向けて取り組む一般社団法人かたわら(横浜市)の代表理事、高橋悠太さん(24)=福山市出身=が米ニューヨークの国連本部で開かれているNPT再検討会議に向けた第3回準備委員会を傍聴している。4月にはカナダで国際会議に出席したばかり。「核軍縮だけでなく、さまざまな分野の国際舞台で核廃絶を訴えていきたい」と精力的に活動している。(ニューヨーク発 宮野史康)

 5月2日、一般社団法人「核兵器をなくす日本キャンペーン」が日本向けに準備委の動きを伝える動画配信に出演。「核兵器保有国に核軍縮を進める意思が見えない。市民社会はもっとプレッシャーをかけていかないといけない」と訴えた。

 NPO法人ピースデポから派遣され、4月27日から米国に滞在。準備委では、「核軍縮をできる安全保障環境ではない」と主張する核保有国の姿勢にじかに触れた。「国連総会や先進7カ国(G7)の枠組みを生かし、核軍縮の意義を理解させないといけない」と確信を深めている。

 先立つ4月12~17日には、カナダの首都オタワを訪問。6月にカナダであるG7サミットに向けた提言を採択する、市民団体の国際会議「C7サミット」に参加した。安全保障分野の議論に加わり、「核兵器の使用や威嚇は許されない」「核兵器削減の交渉を再開する」との文言を提言に盛り込んだ。

 会議には、環境や人道支援に携わる非政府組織(NGO)が集った。分科会では「核軍縮に取り組めば軍事費が減る。そのお金は開発援助に振り向けられる」とも説いたという。

 今月8日に帰国後は、日本各地を回って海外の動きを伝える考え。「核軍縮に関心が低い地域も多い。さまざまな分野の取り組みと関連付けて核兵器廃絶を求める声を大きくしていきたい」

(2025年5月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ