21歳の被爆体験伝承者追う 広島経大生映像作品がTVFジャーナリズム賞 半年密着「等身大の姿を身近に」
25年5月8日
広島経済大(広島市安佐南区)で映像制作を学ぶ4人による作品「21歳の伝承者 被爆80年へ託された思い」が市民映像祭「東京ビデオフェスティバル(TVF)2025」で応募95作から特別賞のTVFジャーナリズム賞に輝いた。広島市で最年少の被爆体験伝承者になった大学生に密着し「同世代だからこそ描けた本当の思いがある」などと評価された。(桧山菜摘)
約20分のドキュメンタリー。伝承者で安田女子大(同)の4年増本夏海さん(21)に約半年にわたり密着した。初めての講話や母校の中学校で後輩たちに語る様子などをまとめた。証言を託した被爆者との交流や聴衆の反応もまとめ、伝承者を通じて被爆体験や平和への思いが継がれる様子を切り取った。
制作メンバーの橋本智香さん(22)が増本さんの幼なじみで実現した。昨年5月に撮り始め、講話や被爆者の体験を学ぶ勉強会など約15回に同行取材した。増本さんが「体験していない自分が話してもいいのか」などと口にする場面もあったとし、橋本さんは「距離が近いからこそ本音が出たのかも」と受け止める。
作中では真剣な表情だけでなく、後輩と笑顔で話す場面や講話後に緊張から解放されて涙をこぼすシーンもある。メンバーの山下愛実さん(21)は「同世代で平和を発信する姿を尊敬した。一方で等身大の彼女を見て身近に感じてほしかった」と話す。作品はユーチューブの広島経済大の公式アカウントから視聴できる。
(2025年5月8日朝刊掲載)
約20分のドキュメンタリー。伝承者で安田女子大(同)の4年増本夏海さん(21)に約半年にわたり密着した。初めての講話や母校の中学校で後輩たちに語る様子などをまとめた。証言を託した被爆者との交流や聴衆の反応もまとめ、伝承者を通じて被爆体験や平和への思いが継がれる様子を切り取った。
制作メンバーの橋本智香さん(22)が増本さんの幼なじみで実現した。昨年5月に撮り始め、講話や被爆者の体験を学ぶ勉強会など約15回に同行取材した。増本さんが「体験していない自分が話してもいいのか」などと口にする場面もあったとし、橋本さんは「距離が近いからこそ本音が出たのかも」と受け止める。
作中では真剣な表情だけでなく、後輩と笑顔で話す場面や講話後に緊張から解放されて涙をこぼすシーンもある。メンバーの山下愛実さん(21)は「同世代で平和を発信する姿を尊敬した。一方で等身大の彼女を見て身近に感じてほしかった」と話す。作品はユーチューブの広島経済大の公式アカウントから視聴できる。
(2025年5月8日朝刊掲載)